【未登記建物】どうする?登記していない建物の6つのデメリット【表題登記】

【未登記建物】どうする?登記していない建物の6つのデメリット【表題登記】

「建物が登記されていないと言われた」こんなご相談をいただくことがあります。

「え?建物を建てれば勝手に登記されるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃいそうですね。

ショウ先生
ショウ先生

実は、自分で登記をするか、土地家屋調査士に登記手続きの依頼をしないと、登記はされません。

融資を受けて建物を建てた場合は、ほぼ例外なく登記がされます(理由は後述します)。

そうでなくても、ほとんどの場合、ハウスメーカー・工務店・建設業者などから紹介された土地家屋調査士の方が登記をしてくれます(「会った覚えがない」という場合、委任状だけハウスメーカーの方に預けているかもしれません)。

しかし現実に「建物はあるが法務局に登記簿がない建物=登記がされていない建物」というものは決して少なくありません。

ショウ先生
ショウ先生

「未登記建物」と呼んだりします。

この記事を読むと、こんなことがわかります。

  • 登記をしていない未登記建物にはどのようなデメリットがあるのか?
  • 登記をしていないことによるメリットはないのか?
  • 未登記建物の登記をするためにはどうすれば良いのか?

なお、私は土地家屋調査士と司法書士の資格を持つ、建物など不動産手続の専門家です。

ショウ先生という名前でこのブログを運営していますが、本名は永田翔と申します。

ショウ先生
ショウ先生

不動産登記に関する登記の専門家は司法書士と土地家屋調査士です。行政書士や税理士の先生は、不動産の登記を申請することはできません!

事務所は神奈川県藤沢市、いわゆる湘南地域にありますが全国どちらでも対応可能です。
実際に北海道から沖縄県まで設立登記の申請をしたことがあります。

ご依頼・ご相談はこの記事のコメント欄やお問い合わせページから、お気軽にどうぞ。

よくある質問

よくあるご質問は以下のようなものです。
これらについては、この記事の中でお答えしていきますね。

  • 未登記建物・未登記家屋って何?
  • その他にも未登記と呼ばれる状態はあるの?
  • 未登記建物・未登記家屋かどうかは、どうやって確認するの?
  • どうして未登記の状態になるの?
  • 登記をするにはどうすれば良いの?費用や時間はどれぐらいかかるの?
  • 登記に義務はあるの?登記をしないと違法なの?
  • 未登記建物でも固定資産税はかかるの?
  • 未登記建物でも火災保険には入れるの?
ショウ先生
ショウ先生

これ以外の質問や疑問をお持ちの方は、コメント欄・お問い合わせページ・Twitter(文末にあり)のDMなどからお気軽に連絡ください。

未登記建物とは登記がされていない建物のこと

そもそも「未登記建物ってなに?」「なぜ建物を建てたのに登記していないなんてことが起こるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

本題に入る前に、簡単に説明をしておきたいと思います。

ショウ先生
ショウ先生

「それは説明してもらわなくても大丈夫」という方は読み飛ばしてくださいね(笑)。

普通は建物を建てると登記簿を作る手続きをするが、登記簿がない建物もある。

冒頭で記載しましたが、建物を建てると通常は法務局で登記をします。

中には自分でされるという方もいらっしゃいますが、図面の作成も必要となるため、土地家屋調査士に依頼をすることがほとんどでしょう。

ショウ先生
ショウ先生

建物を建てた、工務店やハウスメーカーの方が土地家屋調査士を紹介してくれることが多いです。

「建物表題登記」と呼ばれる手続をすることで、法務局にその建物の登記簿が作成されます。

金融機関で融資を受けて建物を取得した場合は、ほぼ例外なく登記がされる

これは「金融機関が親切やサービスで登記手続きの手配をしてくれる」というわけではありません。

一般的に銀行などの金融機関が、住宅ローンなどで建物の取得資金を融資する場合には、その建物を担保に取ります。
これを抵当権(または根抵当権)と言います。

建物の登記簿ができていないと、その(根)抵当権設定登記という手続をすることができません。
そのため銀行などの金融機関は「融資実行までに建物の表題登記を終える」ということを、融資の条件にしていることが多いです。

ショウ先生
ショウ先生

外資系金融機関などは、不動産を担保に取らずに住宅ローンなどの融資をすることもあります。

その他にも「未登記」と呼ばれる状態はある

建物を建てたのに登記がされていないという状態を「未登記建物」「未登記家屋」と呼びますが、他にも「未登記」と呼ばれる状態はあります。

何か建物・土地やその権利関係(所有者など)に変化があったのに、登記がまだされていない状態を「未登記」と言います。

特にこのようなご相談・ご依頼はよく受けます。

  • 相続が発生したのに亡くなった方の名義(所有者)のままになっている。相続登記未了。
  • 建物が取壊しされたのに登記簿だけ残っている。滅失登記未了。
  • 建物を増改築したのに、工事後の面積などが登記簿に反映されていない。建物増築登記未了。

いずれも普段は問題が表面化しづらいですが、この後で説明をする、登記簿がない未登記建物と同じような問題が発生しがちです。

ショウ先生
ショウ先生

何か不動産が絡む取引・契約をする段階になってから、買主や金融機関から「このままでは取引や融資ができない」と言われることが多いです。

建物の登記をしないことによるデメリットは色々あります。

法律上、建物表題登記をする義務があり。過料という罰則が設けられている。

登記を怠ると、過料(前科のつかない罰金刑のようなもの)が課せられることになっています。

ショウ先生
ショウ先生

参考までに根拠条文も書いておきますが、条文を読み慣れていない方には読みづらいかも……

第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条又は第五十八条第六項若しくは第七項の規定による申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。

不動産登記法

こういった場合に義務があるというのを条文番号で特定していますが、次の登記については申請の義務があり、その義務を怠った場合には10万円以下の範囲で裁判所が定める、過料(前科がつかない罰金のようなもの)を支払わなくてはいけないとされています。

  • 第36条は土地ができたときに行う土地表題登記(埋め立てをした際などにより)
  • 第37条は土地の地積(面積)が変わったときにする地積変更登記
  • 第42条は土地がなくなった際に行う土地滅失登記(地形の変化により海に沈んだ場合など)
  • 第47条は建物ができたときに行う建物表題登記(新築などにより)
  • 第49条は2つ以上の建物を合体させたときに行う建物合体登記
  • 第51条は建物の面積・種類などに変更があった際にする建物表題部変更登記(増築など)
  • 第57条は建物がなくなった際にする建物滅失登記(解体・取壊しなど)
  • 第58条は共用部分である旨の登記(マンション・団地などの設備を共用部分として登記)

建物の登記がされていないと、その建物を担保に融資を受けられない

建物の登記がされていないと、銀行などの金融機関からお金を借りることができない場合があります。

「登記をしてからでないとお金を貸せません」という話になると、準備期間を含めると借り入れができるまでに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。

ショウ先生
ショウ先生

「登記にそんなに時間はかからないはず」と思われた方は、記事の続きをお読みください。

銀行などの金融機関が土地や不動産を担保にお金を貸す場合、抵当権(または根抵当権)という権利を、その不動産に設定することが、条件になることが一般的です。

(根)抵当権とは、不動産は所有者や借主の方がそのまま使えるが、「万が一、支払いが滞ったときなどは、不動産を売却してお金を返してもらいますよ」という権利です。

建物が未登記だと、この「権利を設定する登記ができないので、お金を貸せない」という話になってしまいます。

未登記のままでは「建物の売買取引ができない」と言われる

法律上は未登記建物であっても有効に売買契約は成立します。

しかし、取引の相手方である買主や、その間に入っている仲介業者などから「未登記のままでは取引ができない」と言われてしまう可能性が高いです。

買主が売買代金を現金で用意することもありますが、多くの場合、銀行などの金融機関から融資を受けて購入されます。

このような場合、この記事の上の方で書いたとおり、金融機関は不動産を担保に取ります。
建物が未登記のままでは、銀行がその担保権である(根)抵当権の登記ができません。

ショウ先生
ショウ先生

金融機関は登記ができないとお金を貸してくれません。お金を借りられないと現金がない買主さんは不動産が買えません。

また買主が現金で購入する場合でも、仲介業者が間に入っている場合「登記をしないと取引ができません」というはずです。

確かに法律上は未登記建物でも売買契約ができます。
しかし、「売買で権利を取得した」ということを、第三者に主張するためには登記手続きが必要です。

この登記ができないと、買主の権利が守られないので、万が一トラブルが発生したときには、宅地建物取引業の免許を受けている仲介業者の責任問題になるのです。

このようなことになっては困ってしまうので、仲介業者はほぼ間違いなく「登記をしてからでないと代金の支払いをしてはいけない」と言ってくるでしょう。

ショウ先生
ショウ先生

最悪の場合、多額の損害賠償だけではなく、「宅地建物取引業の免許取り消し」なんてことにもなりかねませんからね……

火災保険に加入できない場合がある

未登記建物でも火災保険には加入されているケースが少なくありません。

しかしだからと言って、「未登記建物でも火災保険に加入はできるんだ」と安心してはいけません。
契約時や更新時に、保険会社から「建物の登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を提出してください」と言われることもあるようなのです。

未登記建物は登記がされていない、つまり登記の内容を証明する書類である、登記事項証明書も取得できません。

契約または更新をするために登記手続きをしていたり、登記事項証明書がなくても契約できる会社を探している間は、火災保険に未加入の状態となってしまう恐れがあります。

ショウ先生
ショウ先生

万が一、火災保険に入っていない状態で、火災などの事故が起こった場合を想像すると怖くなりますね……

このような状況を避けるためには、やはり建物の登記簿を法務局に備え付ける、建物表題登記をするしかありません。

借地権付き建物の場合、その借地権を他の方に主張することができなくなる

借地権の上に建物が建っているというケースは意外と多いです。

借地権が「地上権」と呼ばれる権利であれば、地主さんに協力をお願いして登記をすることができます。
しかし借地権が「賃借権」と呼ばれる権利の場合は、登記に協力をするかどうかは地主さんの自由ということになっています。

地主さんが登記に協力してくれない場合でも、何らかの方法で借地権を第三者にも主張できる状態は備えた方が良いでしょう。

ショウ先生
ショウ先生

もしあなたが借りている土地について「私が借りました」という方が、地主さんとの契約書を持って現れたところを想像してみてください。

このような場合、土地に「賃借権」などの登記がなくても、建物の登記さえしていれば、第三者に「私が借地権を持っているのですよ」と主張することができることになっています。

いざ手続が必要になったときに、手間や費用が余計にかかってしまう

建物が新築されてすぐに登記をする場合、必要な書類は不足なく揃っている・揃えられることがほとんどです。

しかし建物が建ってから年月が経ってしまいますと、「必要な書類が手元にない」「最初に建物を取得した方が亡くなったせいで、相続に関する書類まで必要になってしまう」「建物を建設した会社の協力を得られない(そもそもどの会社で建てたかわからない・忘れてしまった。または建設会社が倒産してしまった場合など)」ということになりかねません。

このような場合、登記を申請するにあたり、資料を集めることに時間や費用がかかったり、土地家屋調査士が建物を測量しなおす必要が発生したりします。
土地家屋調査士事務所のほうでも、測量をする分だけ人件費がかかるので、当然報酬も加算されることが多いです。

また無事に登記申請をすることができたとしても、法務局の方でも実地調査に入ったり、書類の審査にも時間がかかったりします。

こうなるとさらに時間がかかってしまいます。

売却・融資・相続・火災保険など、これまでに書いたような手続をお急ぎの場合でも、想定外に時間がかかってしまうことが避けられないケースは多いです。

土地の固定資産税が高くなってしまう可能性がある

登記がされていないといしても、役所では建物の存在を把握しています。
建物の固定資産税について、納税通知書が送られてくるでしょう。

ショウ先生
ショウ先生

しかしこれは悪いことばかりではないのです

建物がある場合、その底地の固定資産税等は通常安くなります。
更地の方が税金が高くなるのですね。

しかし役所もすべての建物を把握しきれているわけではなく、まれに建物の存在が認識されていない場合があります。

そうすると、建物の固定資産税は、建物の存在が判明するまで納税を催告されたりしないかもしれません。
しかし、底地が更地であると認識されていれば、土地の固定資産税が高くなるのです。

ショウ先生
ショウ先生

その上、いずれ建物の存在が役所に知られたときには、過去に遡って納税を促されるかもしれません。

建物を登記しないことによるメリットもあるのでは……?

結論から言うと、私が知る限りは存在しないと思います。

無理やり挙げるとすれば、「建物の存在が役所に認識されず、固定資産税等の請求が来ない」という程度です。

しかしこれさえも、いざ建物の存在が知れると、新築時から遡って支払いの義務が生じる可能性が高いでしょう。

ショウ先生
ショウ先生

手間や費用を惜しんで登記を怠ると、さらに面倒になったり、余計に費用がかさむかもしれません。

未登記建物の表題登記を済ませるとこんなメリットがある

主に上のようなデメリットが消えることがメリットです。

権利関係が明確になること、融資・売買・相続がスムーズに済ませられることがメリットと言えるかもしれません。

ショウ先生
ショウ先生

「未登記建物」というのはイレギュラーな状態ですので、登記をすることでその状態を脱するというイメージです。

ちなみに当事務所にご依頼をいただく場合、手続の報酬8万8000円(税込)~です。
一般的な個人の居宅などであれば、だいたいこの8万8000円という金額でお受けできます。

ただし建物の規模が大きい、アパート・マンションなどの場合や、長年未登記の状態で放置されており、手間がかかる場合は別途お見積もりとさせていただきます。

お見積もりの段階では資料調査に要した費用等含めて、請求をいたしません。
まずはお気軽にお問い合わせください。

実際にあったケース(祖父母の世代に建てた建物)

建設会社にご紹介された方から、「古い建物が登記されていないことがわかり、困っている」とご相談をいただきました。

お調べすると、ご相談者様の父方の祖母が建てた建物のようですが、法務局に登記簿が備えられておりません。
※評価証明書等を取得すると、祖母の名前になっておりました。

この場合、祖母の相続人(おじ・おば。亡くなっている方がいれば、その子である従兄弟たち)全員の関与が必要となってしまいます。

また困ったことに、親族の中に関係のよろしくない方がおり、なかなか協力を得ることができない状況でした。

結果的に未登記建物の表題登記を行うにあたり、必要書類が揃うまでには年単位の時間を要することになりました。

まとめ

  • 登記をしていない未登記建物は、主にその建物に関わる取引ができないというデメリットがある。
  • 登記をしていないことによるメリットはないので、なるべく早く登記を済ませるべき。
  • 未登記建物の登記をするためには、自分で法務局で相談をするか、土地家屋調査士に依頼をする。
    ただし図面の作成なども必要となるため、自分で手続を行うのは、やや難しいと思われる。
ショウ先生
ショウ先生

気になる方はまずは無料相談をご利用ください。

私は土地家屋調査士のほか、司法書士・宅地建物取引士の資格も持っており、不動産の手続には精通しています。
お役に立てそうでしたらお気軽にご連絡ください。

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