【第3回】債権譲渡登記申請の方法【債権譲渡登記の申請書の作り方】

【第3回】債権譲渡登記申請の方法【債権譲渡登記の申請書の作り方】

目次

債権譲渡登記を申請する方法

ショウこと永田翔です。中卒元ひきこもりで、司法書士・行政書士・土地家屋調査士・宅地建物取引士をやってます。

先日久しぶりに債権譲渡登記を申請いたしました。  今後は債権譲渡登記の申請をする機会が増えていきそうなので、自分用の備忘録を兼ねてこの記事書いています。

前々回は【第1回】債権譲渡登記申請の方法【債権譲渡登記の基礎】として、手続の概要を書かせていただきました。

そして前回は[【第2回】債権譲渡登記申請の方法【債権申請データの作成】として申請書とあわせて法務局に提出する「債権譲渡ファイル」の作成方法について、書かせていただきました。


今回はいよいよ申請書の作成方法について書いていきたいと思います。

債権譲渡登記を書面申請でする場合

まず債権譲渡登記の申請方法には、大きく分けて次の2つがあります。

  1. 書面申請(法務局に持ち込みまたは郵送)
  2. オンライン申請

しかし実務上、オンライン申請はほぼ使われていないという話を前々回の記事に書きました。
書面申請の具体的なやり方を書いていきます。

### 債権申請データと申請書の作成

債権譲渡登記を申請するためには申請書を作成する必要があります。  それに先だって(または併行して)、債権申請データというものを作る必要があります。
こちらについては前回の記事で解説させていただきましたので、今回は申請書の作成についての内容となります。

### 用意するもの(ソフト・ツール)

債権譲渡データの作成および送信にあたっては、無料で使える3つのソフトをご紹介させていただきました。
しかし債権譲渡登記申請書の作成には、専用のソフトを利用するほどのことはなく、一般的なWordなどの文書作成ソフトがあれば充分です。

余談ですが私はこのブログの下書きをGoogleドキュメントで作成しています。
こういった無料で利用できるソフトでも、もちろんかまいません。

## 債権譲渡登記申請書

まずは法務局のWebサイトの中で、債権譲渡登記申請書のひな形などがあるページのURLを紹介させていただきます。
正直なところ、こちらを見れば、この記事を見なくても充分な情報が揃っている気もします。
しかしそれでは、せっかくこの記事を見て下さっている方に申し訳ないので、解説した方が良いと感じた点について補足させていただきます。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/CREDITASSIGNMENT_12-1.html

記載事項

  • 登記の目的 「債権譲渡登記」と記載します(ひな形をダウンロードした場合、変更の必要はありません)。
  • 添付書面 「資格証明書」「印鑑証明書」となります。ただし「資格証明書」については、この後で説明する、会社法人等番号を記載すれば省略可能です。
    この方法で添付省略をする場合は「資格証明書(添付省略)」と記載いたしましょう。「印鑑証明書」については省略できないのでご注意ください。※不動産登記の場合は、こちらも会社法人等番号を記載すれば省略できるのですが。
  • 上記のとおり申請します〇年〇月〇日東京法務局御中
    この部分には申請する日付を記入しましょう。また債権譲渡登記については全国のすべての登記を「東京法務局”中野出張所”」で取り扱っております。
    しかしながら、この部分には「東京法務局 中野出張所御中」ではなく「東京法務局 御中」と記載してください。ひな形をダウンロードされた場合は変更不要です。
  • 譲渡人・譲受人・代理人
    法人であれば登記簿どおり・個人であれば住民票どおりに記載します。
    なお譲受人は法人・個人のどちらでもなることができますが、譲渡人は法人でないと登記できません。
    また法人の場合は会社法人等番号も記載しましょう。前述の資格証明書の添付を省略することができます。なお、よく国税庁の法人番号と間違える方がいらっしゃいますが、法務局の会社法人等番号ですのでお気をつけ下さい(登記事項証明書に記載されています)。

はい。申請書はこれで完成です。A4用紙1枚だけですので簡単ですよね。

登録免許税納付用台紙には登録免許税の金額分の収入印紙を貼りましょう。収入印紙は郵便局・法務局などで購入できます。

取下書

債権譲渡登記申請の際には、取下書もあわせて添付する必要があります。
え?登記を申請するのに取下書?取り下げる予定はないんですけど?と思われる方もいらっしゃいますよね。
債権譲渡登記は書類が不備なく整っていればすぐに処理されます。逆に書類に不備がなければすぐに取下げをしないといけません。
そのため、不備があればすぐに取下げをさせることができるようにあらかじめ取下書をセットで付けさせることになっているようです。

記載方法は申請書の欄を参考にしてください。
1か所だけ補足説明をします。「 年 月 日 による債権譲渡について」の部分は、申請日ではなく債権譲渡がされた日を書いてください(もちろん債権譲渡がされた当日に申請をする場合は、その日の日付を書いていただければ大丈夫です。)。

「令和4年2月19日売買による債権譲渡について」といった形になります。「売買」の部分は実際の原因を書いてください。

## 書類の組み方

他の登記、つまり不動産登記や法人登記の場合、申請書と添付書類はホチキス留めをします。
しかし法務局の方によると、「債権譲渡登記の場合はむしろホチキスで留めない方が助かる。すぐ外してしまいますしね。」とのことでした。

  1. 申請書(押印済)※代理人申請の場合は代理人・本人申請の場合は本人が押印します。
  2. 登録免許税納付用台紙(印紙貼付済)
  3. 添付書類(印鑑証明書)
  4. 取下書(押印済)※こちらも押印する方は申請書と同じです。
  5. 二次元コード記載用紙or債権譲渡データを入れたCD-R
  6. 代理人による手続であれば委任状

を提出します。

提出先

管轄の法務局は東京法務局中野出張所になります。
郵送での申請も可能です。窓口に持参する場合は3階に窓口があります。
申請書には東京法務局御中と記載しますが、九段下にある東京法務局ではなく、中野にある中野出張所に提出します。

## これで完了です。

思ったより簡単だったでしょうか。
ご自身ではできそうにない場合、ご依頼・ご相談など受け付けます。是非お気軽にご連絡ください。お待ちしております。

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