【宅建試験】対抗要件に関する過去問、わかりやすく解説してみました

【宅建試験】対抗要件に関する過去問、わかりやすく解説してみました

目次

宅地建物取引士試験 本試験 過去問解説

ショウ

ショウと言います。中卒ですが、宅地建物取引士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士の資格を持っています。

このブログでは「少しわかりづらいのではないかな。」という問題を抜粋して解説していきたいと思います。


もし「この問題も解説してほしい」というご要望があれば、コメント欄などからお気軽にご要望くださいね。
あなたが疑問を抱えているということは、きっと他にも同じ疑問を抱えている受験生の方がいらっしゃいます。

なお同じジャンルの記事は下記リンクからご覧いただけます。

https://nagata-sho.com/category/%e5%8b%89%e5%bc%b7%e6%b3%95/%e8%b3%87%e6%a0%bc%e8%a9%a6%e9%a8%93-%e5%8b%89%e5%bc%b7%e6%b3%95/%e5%ae%85%e5%9c%b0%e5%bb%ba%e7%89%a9%e5%8f%96%e5%bc%95%e5%a3%ab%e8%a9%a6%e9%a8%93/

今回解説する問題は……

今回解説するのは、こちらの問題。
令和1年度本試験 問1肢3 民法(物権法)の対抗要件に関する問題です。

問題 Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

肢3 Bが甲土地の所有権移転登記を備えないまま甲土地をEに売却した場合、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができる


まずは図を書いて考えましょう。
こういう形になります。平行四辺形が土地、登の文字は登記上の所有権だと思ってください。

先に解答言っちゃいますね。この肢は「正しい」肢になります。
理由を一言でいうと「登記なくして対抗できる第三者」に当たるからという話なのですが、これだけじゃ意味がわかりませんよね。

「登記なくして対抗できる第三者」とは

「登記なくして対抗”できる”第三者」について説明するために、まず「登記なくして対抗”できない”第三者」について説明することにします。
この「登記なくして対抗”できない”第三者」に該当しなければ、「登記なくして対抗”できる”相手(第三者)」ということになりますからね(書いていて、こんがらがってきますね。)。

登記なくして対抗することができない第三者とは「当事者及びその包括承継人以外の者であって、登記の欠缺(けんけつ)を主張する正統の利益を有する第三者」のことです。
つまりそれ以外の第三者には、登記がなくても対抗できるということになります。
※根拠は条文ではなく古い判例(大判明41.12.15)。

条文も判例も読みづらいんだ……

判例も条文も、少し読みづらいですよね(少しじゃないか?)。

「欠缺(けんけつ)」なんて普段使わない言葉ですが、「〇〇が欠けている」「〇〇が存在しない」といった意味です。
「正当の利益」も少しわかりづらいので、「正当な権利」とでも読み替えてください。

AさんとEさんの関係は?

さて、この場合のAさんは、転売の元の売主です。
このAさん、はたして「Eさんは所有権移転登記を備えていないじゃないか!」と主張する正当な権利があると言えるのだろうか?」と考えると良いかもしれません。


法律うんぬんの話はいったんおいておいて、このAさんが「Eさん、あなたはまだ登記してないんだから、あなたに所有権を主張されるいわれはありませんよ!」と主張できるとなると、おかしなことになりそうな感じがしませんか?

イメージしやすくしましょう

AさんBさんではイメージしづらいので、赤鬼、桃太郎、金太郎にでもしますか。鬼ヶ島を赤鬼から買った桃太郎が、金太郎に転売したと思ってください。

無理やりストーリーをつけるとすれば、村人達への賠償金の支払いに困った、鬼の大将赤鬼が、桃太郎に鬼ヶ島を売却してお金を作った。そしてその鬼ヶ島を買い取って、熊などの動物を住ませようと、金太郎が桃太郎から買い取った。といったところでしょうか(笑)


実際にこういう状態になったとすると、まず金太郎さんが桃太郎さんにこのように要求しますね。

金太郎

「お金も払ったんだから、早く俺の名義に変えてよ」

そして桃太郎さんは赤鬼さんに、きっとこういうでしょう。

桃太郎

「金太郎さんも早く登記してほしいと言ってますし、そろそろ私の名義にしてくださいよ。」

(赤鬼さんから所有権移転登記をしてもらわないと、桃太郎さんから金太郎さんへの所有権移転できません)。

ただ桃太郎さんが、面倒がってなかなか動いてくれない人という場合もありますね。
そうすると、金太郎さんは赤鬼さんに直接こんな文句を言うのではないでしょうか。

金太郎

「早く桃太郎さんに所有権移転登記してくださいよ!そうじゃないと、桃太郎さんから私への所有権移転登記もできないんですよ!」

お金も払ったのに、登記上の所有者をなかなか自分に変えてもらえないのであれば、怒るのは当然ですよね?


ですから、ここで金太郎さんが赤鬼さんに主張(=対抗)できないとなると、おかしなことになります。

赤鬼

「金太郎さん、あなたはまだ所有権移転登記を受けてないんだから、そんなこと言われる筋合いはないですよ。」

と言い返してきても、「いやいや、そもそも桃太郎さんに所有権移転登記をしない、お前のせいでこうなってるんじゃないのか?」と言いたくなりませんか?
ですから、法律うんぬんと難しく考えるのではなく「これでは困ってしまう人がいるのでは?」と、考えてみるのも良いと思います。

なおご自身でイメージするときは、友人・知人などを登場人物にしても良いかもしれません。
私が通っていた中学校の社会の先生は、「永田村の翔兵衛」みたいな登場人物を作って、歴史の話をしてくれていました。
これはイメージしやすかったです(私の名前は「永田 翔」です。社会の先生は生徒の名前から、登場人物を作っていました。)。

実務的に考えると

実際にこのようなケースになると、金太郎さんは桃太郎さんにこう言う権利があります。

金太郎

早く登記をしてください。でなければお金を返してください。そうでないと、あなたを訴えますよ!

そして、桃太郎さんは赤鬼さんにこう言う権利があります。

桃太郎

早く登記をしてください。でなければお金を返してください。そうでないと、あなたを訴えますよ!

つまり、それぞれ自分が不動産(鬼ヶ島)を買った相手に対して、同じような請求をする権利があるわけですね。

そして金太郎さんは、自分が権利を主張できる相手である「桃太郎さん」が持っている、「赤鬼さん」に対して主張できる権利を使うことができます。
これを代位と言います。

ここから考えても、金太郎さんが赤鬼さんに対して権利を主張できないなどということはありえないのです。

常識的に考えてみる

「よくわからないな」とか「見たことがない事例だな」と思ったときは、「一般的な感情にてらして、しっくりくるのはどっちだろう」と考えてみるのも良い方法です。

ほとんどのケースは「そりゃそうだよね。」という結論になることが多いです。
もちろん、中にはそうはならないものもあるのですが、そういうものは逆に印象に残りやすいので、一度解説を読んでしまえばなかなか忘れないと思います。

ところで、この問題は本試験に出そうですか?

どうやらこの問題、平成16年にも類題が出ているようですね。
次に出たのが令和1年ということは、約15年ぶりの出題ということになります。

出題されているペースからすると、ここ数年の間に同じ問題が出る可能性は低いかもしれません。
勉強時間が限られているときは、こういう形で出題傾向を予想するという手もあります。本当は「何が出ても大丈夫!と」いう状態に持っていけると、一番良いのですが(笑)。

余談:ブログ習慣化再チャレンジ

 ブログの更新を習慣化しようとしています。一度失敗しまして再チャレンジ中です(笑)。
この記事で8日目の投稿となりました。

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