不動産の所有者が死亡した場合の名義変更。自分でやるために必要な書類と費用が気になる方はこちら!

不動産の所有者が死亡した場合の名義変更。自分でやるために必要な書類と費用が気になる方はこちら!

目次

死亡による不動産の名義変更=相続登記

こんにちは。湘南の不動産手続専門家、ショウ先生こと永田翔です。
最終学歴は中卒ですが、司法書士・行政書士・土地家屋調査士・宅建士などの資格を持っております。

今回は「所有者が死亡したことによる不動産の名義変更=相続登記」を自分でやってみようかな、という方が気になりそうなことについて書いていきます。

主に以下の2つが皆さん気になる点ではないでしょうか。

  • 相続登記を自分でやるために必要な書類
  • 相続登記にかかる費用
  • 相続登記にかかる期間
ショウ先生
ショウ先生

相続登記の専門家である司法書士に依頼すると、やはり費用(報酬)がかかります。
そのため、自分でやってみたいという方もいらっしゃいますよね。まずは必要な書類や費用についてご説明させていただきます。

相続登記を自分でやるために必要な書類

先に一覧を書いてしまいますね。

  • 亡くなった方(被相続人)の生まれてから亡くなるまでの戸籍一式
  • 亡くなった方(被相続人)の住民票除票または戸籍除附票
  • 相続人全員の現在戸籍
  • 相続人全員の住民票(本籍記載)または戸籍附票
  • 相続人全員の印鑑証明書(相続人が1人だけの場合は不要)
  • 納税通知書・名寄帳・評価証明書・公課証明書など不動産の評価額がわかる書類
  • あれば遺言書・遺産分割協議書・相続放棄申述受理証明書

これらを大きく分けると次のようになります。

  • 1.不動産を誰が取得することになったかに関する証明書
  • 2.被相続人(亡くなった方)に関する証明書
  • 3.相続人(不動産を相続される方を含む、相続権がある方全員)に関する証明書
  • 4.登録免許税(法務局に納める税金)を計算するために必要な資料

1.不動産を誰が取得することになったかに関する証明書

遺言書がある場合は遺言書(自筆証書遺言であれば、家庭裁判所で検認を受けたもの)

遺言書がない場合は遺産分割協議書(相続人全員の実印を押印)を作成します+相続人全員の印鑑証明書※有効期限等はありません。

相続人がお一人の場合は、上記のどちらも不要です。

相続放棄をしている方がいらっしゃる場合は、相続放棄申述受理証明書(家庭裁判所で取得できます)。

2.被相続人に関する証明書

  • 被相続人の除かれた住民票(死亡の記載があります)または戸籍附票
    ※住民票は住所地を置いた市区町村の役所・戸籍類は本籍地を置いた市区町村の役所で取得できます。
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍(改正原戸籍・除籍を含む)一式

3.相続人に関する証明書

相続人の住民票(本籍記載のもの)または戸籍附票

相続人の現在戸籍

4.登録免許税(法務局に納める税金)を計算するために必要な資料

評価証明書または公課証明書または名寄帳(評価額が記載された公的証明書であればなんでも良いということになります。)※いずれも不動産が存在する市区町村の役所で取得できます。

ちなみに司法書士に依頼する場合にも、必要な書類は同じなの?

ショウ先生
ショウ先生

専門家である司法書士に依頼すると、費用がかかる分、手間や時間がかかりません。

相続登記の専門家である司法書士に依頼をする場合、相続人全員の印鑑証明書だけ取得しておけば問題ありません。

あとの書類は専門家である司法書士が、取得や作成を代わりにやってくれます。
※印鑑証明書以外の書類は、司法書士であれば依頼者の代わりに取得することができます。ただし司法書士の方によっては、「集められる戸籍・住民票は自分で取ってきて」などと言われることもあるようですので、その分費用が安いなどのメリットがなければ、他の司法書士に依頼することを検討されても良いかもしれません。

法務局に提出する書類の、種類や数が変わるわけではありませんが、ほとんどの書類についてご自身で取得・作成などをする必要はなくなるわけですね。

相続登記にかかる費用

ショウ先生
ショウ先生

ほとんどの方が、まずかかる費用について気にされます。
ちなみに次に気にされる方が多いのは、かかる期間でしょうか。

相続登記にかかる費用は、大きく分けると次のようになります。

  • 1.相続登記申請時に法務局に納める登録免許税
  • 2.必要な書類を集める費用

1.登録免許税の計算方法

相続登記の対象となる不動産の評価額の0.4%です。
例えば評価額1000万円の不動産であれば4万円。5000万円の不動産であれば20万円です。
売買をした場合の相場などとは関係ありませんので、ご注意ください。

評価額が載っている書類は、市区町村の役所(23区は都税事務所)で取得できる、評価証明書・公課証明書・名寄帳などに記載されています。
毎年5月頃に所有者の方の元に届く、納税通知書にも記載されています。
役所によっては「評価額」ではなく「価格」と書かれている場合もあります。

2.必要な書類を集める費用

必要な書類を集める費用については、その方によって取得すべき書類の通数が違うので、「いくらですよ」と前もってお伝えすることができません。

ただし、私が過去にご依頼いただいた案件を振り返ると、ほとんどの場合1万5000円以内には収まると思います。

参考までに各書類を取得する際の費用は次のようになります。

  • 現在戸籍450円・改正原戸籍や除票750円・戸籍附票300円(自治体により異なる場合もあります)
    これらは被相続人の方の婚姻歴や転籍歴によって、必要となる通数が大きく変わってきます。
    そのため集めるための費用がどれぐらいかかるのか、専門家である我々でさえも、実際に集め終わるまではハッキリとはわかりません。
  • 住民票300円(自治体により異なる場合もあります)
    被相続人・相続人の人数分だけ必要になります。
  • 評価証明書等300~400円(自治体により異なる場合もあります。不動産一つごとに費用がかかる自治体もあれば、不動産5つごとなど、独自の計算方法を用いる自治体も少なくありません。)
  • 不動産登記事項証明書600円
    不動産の個数だけ取得することになると思います。必ずしも取得する必要はありませんが、ほとんどの方は相続登記が終わった後に、記載された内容を確認するために取得するはずです。

以上の書類を合計すると、なんとなく1万円から15000円ぐらいはかかることが多いです。

ちなみに司法書士に依頼をすると、どれぐらいの費用がかかるの?

だいたい10万円前後、一般的な不動産・家族構成であれば、高くても15万円以内には収まるのではないかと思います。

当事務所では8万円から12万円程度の間で費用を頂戴することが多いです。シンプルな案件や、書類をある程度ご自身で集めておられる場合などは、もう少しお安くさせていただいております。
報酬の安さ重視で探せば、もっと安くやってくれる司法書士の方もいらっしゃると思います。

ちなみに司法書士・弁護士以外は、法律上相続登記の依頼を受けることはできません。
もし司法書士でも弁護士でもないのに、「相続登記の依頼を受ける」という方やWebサイトを見かけた場合は、違法なことをやっているか、司法書士などの専門家を紹介されることになるはずです。

相続登記にかかる期間

内訳はこの後で説明しますが、準備を含めて2か月程度はかかると考えておいた方が良いと思います。
作業等の内容をを大きくわけると次のようになります。

  • 1.必要書類を集める
  • 2.書類を作成する
  • 3.登記を申請してから完了されるまで待つ
ショウ先生
ショウ先生

どの程度時間がかかるかは、個人差(書類作成やPC操作への慣れなど)もあれば、その方のご事情(被相続人が何か所ぐらいの自治体に本籍を置いていたことがあるかなど)にもよります。

1.必要書類を集めるためにかかる時間

「必要書類を集める。」これは特に戸籍を集めることに時間がかかります。
スムーズに請求作業ができる前提であれば、長くても6週間ほどあれば揃うことがほとんどです。

被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要となりますが、過去に本籍を置かれていたすべての場所にある戸籍を、順を追って集めていくことになるからです。

例えば私の事務所は神奈川県藤沢市にあります。相続登記のご依頼をいただいて、お急ぎということであれば、東京・神奈川・千葉・埼玉あたりまでであれば、なるべく役所に出向いて戸籍を集めるようにします。

しかし場所が北海道や九州であれば、行って戸籍を集めるとしても1日がかりになってしまいます。そのため基本的には郵送での対応となってきます。
※繁忙期でなければ、出張日当や交通費をご負担いただければ、出向いての対応も可能です。

郵送で戸籍を取り寄せる場合、一か所あたり1週間あたりは見た方が良いでしょう。
対応の遅い役所や、混みあっている場合ですと、2週間以上かかる場合もあります。

2と3については、また別の記事を書きたいと思いますので、この記事では簡潔にまとめます。

2.書類作成をするためにかかる時間

大きく分けて登記申請書と遺産分割協議書に分けられます。

登記申請書は内容が決まっていれば1時間程度で作成できるのではないかと思います。
遺産分割協議書は2時間程度で作成できるのではないかと思います。
必ずしも作成する必要はありませんが、相続関係説明図も1時間程度で作成できると思います。
合計4時間程度で作成できるのではないかと思いますが、PCでの書類作成に不慣れな方であれば、もう少し時間がかかってしまうと思います。

ちなみに私が作成する場合は、過去に作成した書類のひな形などもありますので、一般的な内容のものであればそこまで時間はかかりません。

3.登記を申請してから完了されるまで待つ

法務局の混み具合などにもよりますが、通常1~2週間程度で完了することがほとんどだと思います。
法務局の窓口や、各法務局のWebサイトなどに完了予定日というものが書かれておりますので、申請からどれぐらいの日程で完了するかはどなたでも確認可能です。

ただし当然ながら書類に不備がないことが前提となっております。
不備や不足があったとしても、法務局からの連絡を受けてすぐに対応できれば、完了予定日までに完了していただけると思います。

ここまでに書いた作業等にかかる時間を合計すると、冒頭に書いた2か月程度という数字になります。

ちなみに司法書士に依頼をすると、どれぐらいの期間がかかるの?

その場合もやはり2か月程度は見ていただいた方が無難かと思います。

ただし売却や不動産を担保にしての借り入れなど、後の予定が決まっている場合は、それを伝えて「何月何日までに相続登記を完了させることはできますか?」と依頼前にきいてみることをオススメします。

相談・依頼をされる司法書士の方にもよりますが、急ぐ理由があれば、なるべくなんとかしてくれるか、「うちの事務所ではその期間では難しいので、他を当たってほしい。」などと回答してもらえると思います。

何も言わないと、急ぎであることが伝わらないので、その事務所の通常業務としてのペースで進められることになってしまうと思います。

例えば私が独立する前に勤務していた事務所の一つは、司法書士事務所としてはそれなりに規模が大きかったものの、不動産業者や銀行関係の業務が多すぎて、急ぎの相続案件など依頼されても対応は難しい状態でした。
ですから仮に「急ぎの相続をお願いしたい」などと言われれば、その事務所から独立して開業された、他の司法書士事務所を紹介するなどの対応をしていたのではないかと思います。

いかがだったでしょうか。

私は不動産手続きの専門家ですので、もちろん不動産に関する相続の手続きにも精通しています。土地家屋調査士の資格も持っているので、大きな一筆の土地をいくつかに分ける、分筆という手続がからむ相続なども得意にしております。
お役に立てそうでしたらお気軽にご連絡ください。

「不動産の所有者が死亡した場合の名義変更。自分でやるために必要な書類と費用が気になる方はこちら!」の記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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湘南の不動産手続専門家。司法書士・行政書士・土地家屋調査士・宅建士のショウ先生こと永田翔でした。

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