「急ぎで会社設立をしないといけない」そんな場面に直面することがあります。
理由は様々ですが、「不動産購入などの契約を急ぐ」「税金対策の都合」「設立日を特定の日付にしたいというこだわり」などが多いです。
「即日会社を設立することなんかもできるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。この記事を読めば、どのようにすれば急ぎの際に、会社設立登記が即日できるのかがわかります。
私は司法書士・行政書士として開業している永田翔と申します。ショウ先生という名前でこのブログを運営しています。
事務所は神奈川県藤沢市、いわゆる湘南地域にありますが全国どちらでも対応可能です。
実際に北海道や沖縄県の会社設立登記も申請したことがあります。
結論としては会社設立登記を即日することはできます。
しかし幾つか条件もありますので、それについてこれからお話ししたいと思います。
なお設立登記申請までは即日できますが、即日登記が完了するわけではありません。法人名義で有効に契約はできますが、相手に会社の登記事項証明書や印鑑証明書の提出などが必要な場合、取得までに数日間かかります。
- 会社設立に必要なもの
- 合同会社設立登記は即日できます
- 株式会社設立登記も即日できる場合があります
- 株式会社設立登記を即日できない場合にもこんな方法があります
- 司法書士はどのような作業を行うの?
この記事を読んでいるということは、急ぎで会社設立をしたい方の可能性も高いので、手短に説明していきますね!
目次
会社設立に必要なもの
会社設立登記は自分でやることもできますが、とにかく会社設立登記を急ぐということであれば、ご自身でやるのは諦めて専門家である司法書士に報酬を払って依頼した方が良いと思います。
即日対応してもらえるかはその司法書士しだいですが、「何日までに設立したいのですが、依頼を受けられますか?」と訊いて、対応してくれる司法書士を探して下さい。
もしくは私宛にご連絡ください(笑)。
※当然ながら、私もいつも予定が空いているというわけではございません。
司法書士に依頼をするのであれば、次の物が用意できれば会社設立ができます。
- 印鑑証明書(発行日から3か月以内のもの)
合同会社なら代表社員の方のものを1通
株式会社なら取締役と発起人(設立当初の株主)全員のものを各1通
なお株式会社の取締役であり発起人でもある方は2通必要です。 - 個人の口座に資本金相当額を入金した通帳(ネットバンキングのスクリーンショットでもOK)
※資本金とは株主が出資したお金の総額です。通常はこれを元手に会社を運営していくことになります。不足して追加で資金を入れる場合、代表者個人から貸付をしたりすることも多いので、そこまで難しく考えなくても大丈夫です。 - ご実印
- 運転免許証などの本人確認ができる書類
- 費用
参考までに当事務所にご依頼いただく場合
・合同会社の場合は報酬込みで16万円
・株式会社の場合は報酬込みで32万円 - ※あれば会社の実印として届け出る予定の印鑑(なくてもOK)
印鑑の作製が間に合わない場合、設立登記を申請する際はとりあえず適当な印鑑を使い、後日改印届出をすれば問題ありません。
改印届出には費用はかかりませんし、法務局の窓口にいけばその場で完了いたします(おおむね15分程度)。
当事務所にご依頼をいただく場合、こちらで印鑑の手配をご希望であれば、知人が経営する印鑑屋さんへの発注も代わりに行っております。
会社設立登記のプロである司法書士に頼むならこれだけ用意すればOK!
あとは司法書士の質問に答え、それを元に司法書士が作成した書類に印鑑を押すだけです。
また下記の表に書かれたことについて決めていただく必要があります。
なお表は株式会社をベースにしており、厳密にいうと合同会社の場合とは用語が異なりますが、決めていただく内容自体はほとんど変わりません。
司法書士に連絡をする前に、ご自身で決められるところは決めておいていただけると、話がスムーズに進むと思います。
合同会社設立は即日できます
もちろん依頼者と司法書士、双方の協力は不可欠です!
会社の設立登記は法務局というところに書類を提出して行います。
この法務局は平日の午前8時30分~午後5時15分しか開いていません。
オンラインで設立登記を申請するとしても、1~2時間程度は書類作成の時間を取りたいので、できれば午後2時、どんなに遅くても午後3時30頃には、先ほど書いた必要なものをご用意していただく必要があります。
逆に言えば、それさえ揃えば合同会社の設立は即日できます。
株式会社設立登記も即日できる場合があります
一方、株式会社の場合には「依頼者がちゃんと準備をしてくれれば、即日設立できますよ!」とお約束することはできません。
株式会社の設立の場合、公証人という方が関わります。定款認証と呼ばれる手続です。
この公証人が即日対応してくれないと、依頼者や司法書士ができる限りの準備を終えたとしても、設立登記が申請できません。
公証人の先生と普段から良い関係が築けている司法書士であれば、多少の無理はお願いできることも多いです。
それでも公証人の先生に即日定款認証をお願いするのは、なかなか難しいことも多いと思います。
もちろん即日定款認証をしていただいたことも何度かありますが、予約が埋まっていることもありますし、必ずしも公証人の先生が即日対応してくれるわけではありません。
そのため株式会社の場合は「公証人が即日対応してくれれば、即日会社設立ができる。」ということになります。
株式会社設立登記を即日できない場合にもこんな方法があります
設立時はとりあえず合同会社で設立登記を行い、後日、株式会社に組織変更を行うという方法です。
ただこの方法には時間も費用もかかります。
準備から登記完了までのトータルでは2ヶ月程度はかかってしまうと思います。
費用としては組織変更登記を当事務所にご依頼いただく場合は、報酬込みで22万円です。
合同会社設立費用が16万円ですので、合計38万円となります。
最初から株式会社を設立する場合は32万円ですので、6万円ほど高くなってしまいます。
「当初は合同会社でも良いからとにかく設立を急ぎたい。しかし最終的には株式会社にしたい。」
という限られた状況でのみ、やる意味があると思います。
実際に私も滅多にやることがない流れです。
司法書士はどのような作業を行うの?
登記申請書と、それに添付する書類を作成して、法務局に提出します。
詳細については、過去に私が書いた下記の記事などを参照いただければと思います。
「不動産会社の作り方」というタイトルになっておりますが、他の業種でも基本的には変わりません。
書類の作成にどの程度時間がかかるかは、もちろんその司法書士によって違います。
参考までに私の場合、一般的な内容の会社であれば長めに見積もっても2時間はかかりません。
作業時間から考えると報酬が高く感じるかもしれませんが、時間だけではなく知識やノウハウを買っていると考えていただけると嬉しく思います。
ご依頼いただくタイミングにもよりますが、参考までに私であれば次のような流れで作業を進めます。
- 必要なもののご案内・会社設立に必要な情報の聴き取りを電話・面前・Web会議などで行う。
- 株式会社であれば、公証人の先生に当日予約が取れるか確認。
※設立する会社の本店がある都道府県内の、公証人に依頼する必要があります。
そのためいつもお願いしている公証人の予約がいっぱいであれば、同じ都道府県内の他の公証人に当たってみるということもできます。 - 聞き取った内容を元に、定款および登記申請書を作成
- 依頼者から必要なものの預かり(合同会社であればこの時点では写真やFAXでも)
- 株式会社であれば設立登記の申請前に、公証人の定款認証を受ける
- オンラインにて会社設立登記を申請
- 依頼主とともに添付書類を仕上げて法務局に提出(場合によってはこの部分は翌営業日になることも)
- 会社実印の用意がなかった場合は、ここで印鑑の発注をし、設立登記完了後に改印届出ができるように準備
このような流れで進めることになると思います(依頼主や公証人の都合により、順序を変えることもあります)。
いかがだったでしょうか
駆け足ではありますが、会社設立を即日行う方法について書いてきました。
とはいえやること自体は一般的なスケジュールで会社設立を行う場合とさほど変わりません。
いつもやっていることを、ただ急ぎでやるだけではありますが、段取りが大切になってきます。
記事を読んで下さった方で、ご依頼・ご相談・ご質問などあれば、コメント欄・お問い合わせページ・TwitterのDMなどで気軽に連絡くださいね!
ショウ先生こと永田翔でした。