【商業登記】印鑑を押さなくてもいい書類【押印不要】

【商業登記】印鑑を押さなくてもいい書類【押印不要】

目次

え?印鑑を押さなくてもよくなったの!?

 役員変更などの商業登記(法人登記)を法務局に申請する際、一部の書類に押印が不要となったようです(※誰も読まないと思うのですが、一応記事の最後に通達のURLなども掲載しておきます)。


 恥ずかしながら、不勉強にて最近までこの通達の存在を知りませんでした。
しかしこの通達の全文を見たところで、「どの書類に押印が必要で、どの書類の押印が不要になったのか」を正確に読み解ける方が、果たしてどの程度いらっしゃるのでしょうか?
(私自身は専門家の端くれですので、読み解けますよ…念のため。)

 そこで、わざわざ読み解かなくてもよくわかる方法がありますので、そちらをご紹介させていただきます。

商業・法人登記の申請書様式

下記のリンクは、法務局のWebサイトの「商業・法人登記の申請書様式」というコンテンツになります。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

 ここには各種申請書の見本なども掲載されています。
今回はどのような会社でも必ず申請する登記ということで、役員変更登記を例に挙げてみましょう(株式会社の役員の任期は最長10年です。そのため仮に役員の構成メンバーがずーっと変わらない場合であっても、10年に一度は「同じ人を再任させましたよー(「重任」と言います)」という登記をする必要があるのです。)

百聞は一見に如かず

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001298395.pdf
 ここに申請書と添付書類の見本があるのですが、この中の委任状という書類の記載例をご覧下さい。


 委任状は押印が必要な書類なのですが、印鑑マーク(印の字に〇)がありますね。押印する場所をわかりやすくしてくれています。


 次にこちらの書類をご覧ください。この書類には印鑑マークがありません(通常、押印をする場合は、名前の横に押します。)。これは印鑑を押さなくてもよくなった書類なので、押印する場所を示していないのです。

おわかりいただけたでしょうか?

 いかがだったでしょうか、末尾に通達のURLも掲載しておりますが、これを読み解くよりは、上記の申請書見本を確認した方が、わかりやすいのではないかと思います。


 また押印が不要な書類でも、押印をしておいて文句を言われることはないので、わかりづらい場合は全て印鑑を押しておけば問題ありません(元も子もない)。

わかりづらいなあ……

 しかしこの通達、押印する種類を減らして負担を減らそうとしているのだと思いますが、あまりにもわかりづらいですね……

 私は士業(弁護士・税理士などの名称に〇〇士とつく仕事を「士業」と呼びます。)の仕事をしておりますが、士業の仕事というものは、国や地方自治体の手続きがわかりづらく不便であるために、存在しているものが大多数なのではないでしょうか。

 私自身の仕事でもありますが、士業の仕事はもっと減ることが望ましいと思います。
 ただ民間会社のアプリなどを利用して書類作成が楽になるとしても、それでは利用者の方としては費用を払う先が、士業ではなくソフト開発・サービス運営会社になるだけです(費用の高い安いはあるかもしれませんが)。

 国や地方自治体には、もっと一般の方が自分自身で手続がしやすくなるような施策を期待したいところですね。

参考までに(誰も読まないであろう)通達

 商業登記における押印規定の見直しとして、会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)〔令和3年1月29日付法務省民商第10号〕という通達が出されておりました。

https://www.moj.go.jp/content/001341879.pdf

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