「宅建ってどれぐらいの期間勉強すれば合格できますか?」、「独学でも短期間で受かることはできますか?」「3ヶ月ならどんなスケジュールでやれば良いですか?」といったご質問をいただくことがあります。
合格をするために3ヶ月かかるのか、2ヶ月あるいは1ヶ月で良いのか。
それは1日あたりに勉強できる時間にもよります。
勉強・筋トレ・スポーツや芸事の練習、どれも使った時間の量と質が大切です。
- 不動産業界で働いてみたい。
- 不動産業者で働いているので資格を取りたい。
- 将来的に色々な法律系資格を取りたいが、手始めに宅建を勉強してみようと思っている。
宅建(宅地建物取引士)試験に挑戦する理由は人それぞれですが、資格試験慣れしていない方も多いと思います。
この記事を読めば、資格マニアの私が考えた、3ヶ月間の勉強で無理なく合格するスケジュールがわかります。
私は働きながらの独学で、50点満点中45点を取って合格しました。※宅建試験の合格点はだいたい35点
私の最終学歴は中卒(高校中退)ですが、司法書士・行政書士・土地家屋調査士・宅地建物取引士などの資格を持っています。
勉強ができるというよりは、資格試験を効率よく攻略していくことが得意だと思っています。
- 宅建試験合格までに必要な勉強時間は?
- 独学でも短期間で合格することはできるか?
- 具体的にどのようにスケジュールを組めば良いのか?
よくご質問いただくことについて書いていきますね。
他に訊いてみたいことがある方は、お気軽にご質問ください。
目次
宅建試験合格までに必要な勉強時間は約300時間
過去問の攻略に必要な時間は約206時間
知識ゼロから勉強をはじめるのであれば300時間程度の勉強時間が必要です。
私が考える一番の勉強方法は「時間を計って本試験の過去問を解くこと」です。
合格レベルに達するには、過去問を3周程度は回さないといけません。
過去問を3周程度回せば、ほとんどの資格試験において合格レベル付近までは持っていけます。
そこで市販の過去問集を見ると、13回分(過去12年分)が収録されているものが一般的です。
※近年は新型コロナウイルスの影響により、10月と12月の年2回試験が行われているため、過去12年で、12回ではなく13回の本試験となっています。
宅建試験は50問の択一で構成されているため、13回分であれば650問。
650問を3周するのであれば、合計1850問ということになります。
試験時間は2時間ですが、見直しの時間なども考えると、合格レベルにある受験生は1時間40分=100分もあれば解けるでしょう。
そうすると100分/50問で、1問あたり2分程度で解いていく計算ですね。
合格するためには、それぐらいの速度で解けるようにならないといけません。
あなたも合格レベルに達する頃にはそうなっているはずです。
ただし過去問を解いているときは、解いて終わりというわけではなく、解説も読まないといけません。
3週目をやる頃には、ほぼ合格レベルの力がついているので1問3分・2週目は倍の6分・1週目は解説を読むのもかなり時間がかかるので10分程度かかるとしましょう。
そうすると過去問を3周するのにかかる時間はおよそ206時間。
1周当たり650問(50問の12年分)内訳は1週目1問10分で6500分=約108時間・2週目は1問6分で3900分=65時間・3週目は1問3分で1950分=32.5時間です。
テキストを見るなどのインプットに必要な時間は約63時間
本を読む速度は個人差も大きいので、どれぐらいの時間がかかるかは人によってまちまちでしょう。
しかしそれでは話を進められないので、ここでは予備校の講義時間を目安にしてみましょう。
ちなみに予備校の講義というのは、一般的に決して無理があるようなハイスピードでは進みません。基本的には受講生のほぼ全員が聴き取れる・理解できるスピードで進められているはずです。
※まれに早口で講義をされる講師の方もいらっしゃいます。
つまり早口でも無理なく聴き取ることができ、理解の速度も追い付く方に取っては、少しゆっくりすぎるかもしれない速度で講義は進められます。
私は他の資格試験では通信で予備校の講義を利用したこともあります。
その際は早口の講師なら1.5倍速・ゆっくり話して下さる講師の場合は2倍速で再生していました。
ちなみに私はYoutubeなどで動画を見る際も1.5倍速で再生しています。
生講義に強いこだわりがなければ通信での受講をオススメします。
そうすれば自分が聴き取れるギリギリのスピードまで再生速度を上げることできます。
アガルートさんが宅建試験の初学者(初心者・一から勉強をする方)向けの講座の時間を公開してくださっていたので、それを参考にしてみました。
宅建試験|【2022年合格目標】ゼロから合格カリキュラム(初学者向け)
この講座には模試も含まれているようですが、模試を除くと講義時間は63時間のようです。
つまり1倍速で講義を聴いたとして、63時間でテキスト等を読み込むインプットの時間が終わるということです。
通信にして動画を1.5倍速で再生すれば42時間・2倍速で再生すれば31.5時間で終わります。
自力で理解をしながら読み進めていくので、1倍速で聴いた場合の63時間と同程度はかかるとしましょう。
※市販のテキストを自分で読んでみて、独学では理解に時間がかかりすぎるようでしたら、予算と相談のうえ予備校を利用された方が良いでしょう。
過去問を3周するために必要な時間が206時間でしたので、これにテキストを読み込むための63時間を足すと、合計269時間となります。
300時間までは残り31時間ほどありますので、あと1割ほど残っています。
苦手な分野の克服・改正点への対応・模試などにも多少時間が必要ですので、それを含めるとだいたい300時間に達するはずです。
苦手分野について、テキストの該当部分読み込み・過去問演習・質問できる人がいれば質問してみる。
あとは模試を受けたり、直近の過去問を本試験と同じ時間設定で解いてみたりすると良いでしょう。
独学でも短期間で合格はできます
予備校を利用しなくても短期間で合格はできる
短期間で合格できるかどうかに、予備校を利用するか独学かはそこまで大きくは関係がありません。
宅建試験に限りませんが、ほとんどの資格試験の勉強では、最終的に過去問を何度も解くことになります。
そしてこの「過去問を解く」ということが一番大切になってきます。
正答率はさておき「過去問を解いてみる」という状態まで一人で持っていけるのであれば、予備校を利用しても得られるメリットはそこまで大きくありません。
このような場合には予備校の利用を検討すべき
いくつもの資格を持つ私が、予備校を利用した方が良いと考えているのは次のような場合です。
- 市販のテキストを読んでも、自分の力だけでは理解することが難しい(または時間がかかりすぎる)場合
- 自分でスケジュールを立てて、勉強をしていくことが難しい場合
- (宅建試験には当てはまりませんが)充分な質と量をもったテキストが市販されていない資格試験を受験する場合
上記に当てはまらない場合は独学で勉強ができると思います。
念のため一つずつ具体的に解説していきますね。
予備校の講義なら、初学者にもわかりやすく解説してくれる。
宅建の出題科目は、宅建業法・権利関係(民法など)・法令上の制限・その他関連知識(税金関係など)です。
いずれも根拠が法律などであり、法律関係の勉強・不動産に関する仕事をしたことがないと、なかなか馴染みづらいと思います。
また私のように学生時代にロクに勉強をしてこなかった方は、試験勉強そのものに対して抵抗があるかもしれません。
不安であれば最初から予備校を利用しても良いですが、受講料は決して安くはないので、まずは市販のテキストを試してみることをオススメします。
市販のテキストはそれほど高額ではありません(税込み3,300円程度の商品が多いです)。
試しに買ってみるか、書店で少し内容を確認してみても良いでしょう。
自分でスラスラ読み解けそうなら、独学でもなんの支障もないと思いますが、数ページ読むにもかなり時間がかかるというような状態であれば予備校の利用を検討しましょう。
予備校にも体験講座があったりするので、まずは体験講座受講してみて自分にあった予備校を探しましょう。
多くの場合、予備校を利用した方が、合格までの時間が早まるとは思います。
自力での勉強が困難な人ほど、受講料のコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
通学式なら勉強のスケジュールに悩まずに済む
私は予備校の講義を受講するとしても、通学ではなく通信式をオススメします。
理由は2つあります。
1つは再生速度を早くしたいこと(無理なく聴き取れる範囲で1.5~2倍速推奨)。
もう1つは自分のペースでドンドン講座を受講していけることです。
しかし、「自分で勉強のスケジュールが立てられない」「通信式だと教材を消化できずに溜めこんでしまう」という方も中にはいらっしゃるでしょう。
そういう方は通学して講義を受ける方が向いているかもしれません。
実は私自身は資格試験の予備校に通学したことはありません。
講座を利用する場合は、常に通信式でした。
ややマイナーな資格の場合、市販のテキストが充実していない
これは宅建試験にはあてはまりませんが、ややマイナーな資格の勉強をする場合、市販のテキストが充実していないことがあります。
私が保有する資格の中では「土地家屋調査士試験」がこれに該当します。
このような場合は市販のテキストだけで勉強をすることは困難ですので、予備校の利用を検討してみてください。
無事に宅建試験に合格されて、他の資格の取得を検討する際などに思い出してください(笑)。
スケジュールの一例:3ヶ月で合格を目指す場合
実際に私が資格試験の勉強を始める際には、このようなスケジュールの組み方をします。
- 合格までに必要と思われる総勉強時間を考える
※検討がつかない場合は、資格試験予備校のWebサイトを幾つか見て、平均値を計算してみる。 - 本試験まで何週間あるかを考える
- 合格までに必要と思われる総勉強時間を、上記の週数で割り、1週間あたりの勉強時間を決める
- 1週間あたりの勉強時間を曜日ごとに振り分ける
※仕事のシフトなどが曜日で決まっていない場合、仕事がある日とない日・日勤と夜勤の日などに分けて考えてください。
これが無理のないスケジュールの立て方です。
以下に宅建試験までの勉強期間を3ヶ月とした場合の、スケジュールの立て方を例に挙げて説明していきます。
1日当たりの勉強時間が、1ヶ月で合格を目指す方は3倍・2ヶ月で合格を目指す方は1.5倍になります。
6ヶ月での合格を目指す方は、半分より少し多め程度を目安にしてください(理由は後述します)。
本試験まで仮に3ヶ月とすると約13週間
この記事の中で、宅建試験の合格までに必要な勉強時間は300時間と見積もりました。
これを13週間で割ると、300÷13=約23時間です。
1週間あたり23時間の勉強が実際にできそうかどうか。
曜日ごとに振り分けるなどして考えてみましょう。
毎日何時間ではなく、週に何時間と決め、曜日ごとに振り分ける
宅建試験の勉強をされる方は、学生または社会人の方が多いでしょう。
※受験生の情報については公開されております。20代から40代の受験生が多いです。
学業や仕事は、だいたい曜日によってスケジュールが決まっていて、それは動かせないと思います。
そのため空いているところに宅建試験の勉強時間を入れていく形になるでしょう。
私が宅建試験を受験した際は、基本的に土日休みの職場で働いていました。
私の場合は平日は夜遅くまで働いており、土日はほぼ休みという職場でした。
これを例に考えてみます。
※平日は21時に帰ることができれば早い方、土日はたまに出勤があっても代休が取れるという職場でした。
まず土日にどれぐらい勉強ができそうかですが、私は合計で10時間程度勉強しようと決めました。
予定がなければ5時間ずつ勉強、土日の片方に友人などと出かけた場合はもう片方の日に多めに勉強し、合計10時間勉強しようということです。
休みの日は家族と出かけたいという方も、勉強期間を3か月と決めたら、その期間だけは片方の日だけでも勉強に使えると良いですね。
土日に10時間勉強できれば、23時間-10時間で残り13時間を平日5日間に振り分ければいけます。
少し多めに1日あたり3時間勉強ができれば、3時間×5日間で平日に15時間勉強ができます。
仮に「平日はどうやっても1日2時間が限界」という場合は、土日の勉強量を合計13時間程度まで増やす必要があります。
※これが難しい場合は、3ヶ月間で合格を目指すことが難しいかもしれません。どうしても次の試験で合格をしないといけないのでなければ、次回以降の合格を目指すことも検討してください。
私は通勤時間と昼休みを利用して、これぐらい勉強していました。
詳細は下記の記事を参考にしてください。
週に23時間も勉強できないという場合
どうしても充分な勉強時間が確保できないという場合は、3ヶ月間で合格するというスケジュールを見直すことも検討しましょう。
仮に週に15時間なら勉強できるというなら、6ヶ月間(半年)での合格を目指しましょう。
もちろんその場合でも、3ヶ月後の宅建試験を受験してみた方が良いでしょう。
(受験料の捻出が難しい・試験日が仕事で何度も休むのは難しいなど、事情がある場合は無理のない範囲で)
なお勉強期間を長期化させるのであれば、その分トータルでの勉強時間は増やさないといけないと思ってください。
どんなに記憶力の良い人でも、覚えたことは少しずつ忘れてしまうためです。
例えば300日間、1日1時間勉強すれば、合計勉強時間は300時間に達します。
しかし同じ300時間の勉強時間でも、30日間、1日10時間勉強した人の方が、正確な知識を身に着けているはずです。
合格までに必要な勉強時間を、300時間から劇的に減らすことは難しいです。
そのような裏技があれば、資格試験勉強の専門家である予備校講師の方々が、きっと体系化されているでしょう。
宅建合格後には資格試験予備校の講師になる道もあります。
勉強時間を減らせるような方法を考え出すことができれば、人気講師になれそうですね!
具体的にどのような勉強をすればいい?
基本的には本試験の過去問を中心とした勉強となります。
過去問を解けるようにするために、テキストなどでインプットするという感覚です。
これについては他の記事で紹介しているので、ご興味のある方はぜひそちらをご覧ください。
まとめ
まとめます。
- 宅建試験(宅地建物取引士試験)合格に必要な時間は約300時間
- 独学でも短期間での合格はできるが、場合により予備校の利用もオススメ
- 3ヶ月で合格を目指すのであれば週に23時間の勉強が必要※例:平日1日あたり3時間・土日合計10時間
記事を読んで下さった方で、ご相談・ご質問などあれば、コメント欄・お問い合わせページ・TwitterのDMなどで気軽に連絡くださいね!
ショウ先生こと宅地建物取引士・司法書士・土地家屋調査士・行政書士の永田翔でした。